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グレープフルーツジュースと薬の飲み合わせ

10月17日
読了時間: 5分

「薬と一緒に飲まなければ大丈夫」?

「血圧の薬を飲んでいると、グレープフルーツを食べてはいけないの?」

薬局でもよく聞かれる質問です。

結論からいうと、すべての薬でグレープフルーツを避ける必要があるわけではありません。一方で、一部の薬ではグレープフルーツによって薬の効き方が変わり、作用が強くなったり、副作用が起こりやすくなったりすることがあります。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)も、シクロスポリン、シンバスタチン、フェロジピンなど一部の医薬品では、グレープフルーツジュースによって作用が強くなったり、副作用が現れやすくなったりするおそれがあると注意を促しています。 [pmda.go.jp]


なぜグレープフルーツが薬に影響するの?

薬を飲むと、成分は主に小腸から吸収されて体内に入ります。

このとき一部の薬は、小腸に存在する**CYP3A4(シップ・スリー・エー・フォー)**という薬物代謝酵素によって代謝されます。

ところが、グレープフルーツに含まれる成分は、このCYP3A4の働きを抑えることがあります。

その結果、

通常なら小腸で一部が代謝される薬↓グレープフルーツによって代謝されにくくなる↓体内に入る薬の量が増える↓薬が効きすぎたり、副作用が出やすくなったりする

ということがあります。PMDAも、グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素の働きを抑え、薬の吸収量が通常より増えることがあると説明しています。 [pmda.go.jp]

注意が必要なのはどんな薬?

代表的なものとしては、

  • 一部の高血圧治療薬

  • 一部の脂質異常症治療薬

  • 免疫抑制薬

などがあります。

PMDAでは代表例として、フェロジピン、シンバスタチン、シクロスポリンなどを挙げています。 [pmda.go.jp]

たとえば降圧薬のニフェジピン、アムロジピンについても、グレープフルーツとの相互作用が知られています。

実際、へとの調剤薬局で使用している薬剤情報でも、ニフェジピンCR錠について「服用期間中、グレープフルーツジュースは避けてください」と案内しています。


大切なのは「同じ種類の薬=全部ダメ」ではないこと

ここが特に重要です。

たとえば「血圧の薬だからグレープフルーツは全部ダメ」という判断は適切ではありません。

影響の程度は薬の成分によって異なります。

そのため、

「血圧の薬を飲んでいるからグレープフルーツは禁止」

ではなく、

「今飲んでいる薬の成分について確認する」

ことが大切です。

薬を飲む時間とずらせば大丈夫?

これもよくある質問です。

「朝にグレープフルーツジュースを飲んで、薬を夜にすればいいのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、単純に数時間ずらせば解決するとは限りません。

PMDAによると、グレープフルーツによる代謝酵素への影響は、摂取した当日だけでなく2~3日続く場合があります。 [pmda.go.jp]

したがって、グレープフルーツを避けるよう指示されている薬については、

「薬とグレープフルーツを同時に摂らなければ大丈夫」

とは考えないほうが安全です。

ジュースだけ避ければいい?

いいえ。

問題になる成分はジュースだけでなくグレープフルーツの果肉にも含まれています。

そのため、対象となる薬を服用している場合は、ジュースだけではなくグレープフルーツそのものを食べる場合にも注意が必要です。 [pmda.go.jp]


ミカンやオレンジも全部ダメなの?

グレープフルーツと同じ柑橘類だからといって、すべてを避ける必要があるわけではありません。

PMDAでは、ミカンやオレンジなどはグレープフルーツと同じ影響を与えないとされています。 [pmda.go.jp]

一方、グレープフルーツ以外でも注意したい柑橘類があります。

愛媛大学医学部附属病院の資料では、フラノクマリン類を含む柑橘類の例として、

  • グレープフルーツ

  • ブンタン

  • スウィーティー

  • はっさく

  • ダイダイ

  • ライム

  • シークワーサー

などが挙げられています。ただし、品種や部位によって含有量が異なるため、この一覧だけで個々の薬との相互作用を判断するものではない点にも注意が必要です。 [hsp.ehime-u.ac.jp]

特に鹿児島・奄美では柑橘類を口にする機会も多いため、「グレープフルーツじゃないから大丈夫」と自己判断せず、薬剤師に確認するのがおすすめです。

グレープフルーツを食べてしまったら?

まず、自己判断で薬を中止したり、服用量を減らしたりしないでください。

薬によってグレープフルーツの影響は大きく異なります。

「昨日グレープフルーツを食べたけれど、今日の薬は飲んでいい?」

という場合には、薬の名前を確認したうえで薬剤師や医師に相談してください。


まとめ

ポイントは次の4つです。


① すべての薬がグレープフルーツの影響を受けるわけではない

② 一部の薬では、グレープフルーツによって薬の作用が強くなることがある

③ 薬と飲む時間をずらすだけでは回避できない場合がある

④ ジュースだけでなく、グレープフルーツの果肉にも注意する


「自分の薬はグレープフルーツを食べても大丈夫?」と気になったときは、薬の名前が分かるものやお薬手帳を持って薬剤師に相談してください。

食べたいものを必要以上に制限するのではなく、どの薬で本当に注意が必要なのかを一つずつ確認することが大切です。

 
 
 

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